アメリカナマズは、霞ヶ浦や周辺の河川、利根川下流や阿武隈川、琵琶湖でも捕獲され、その繁殖力の強さから各地で個体数が増加しています。生態系への影響が顕著であるため、2005年4月に特定外来生物に指定されました。
特定外来生物に指定されると、飼養、栽培、保管、運搬、輸入などに規制や制限がかかり、違反すると個人には3年以下の懲役や300万円以下の罰金が科せられます。ただし、釣ること自体は規制されていませんが、釣れたアメリカナマズを他の場所に生きたまま移動させることはできません。釣った場所でリリースするか、その場で締めて持ち帰る必要があります。
一方で原産国のアメリカに目を向けると、1960年代に南部で商業養殖が始まり、ナマズの養殖業は急速に発展しました。1996年には総生産量が約27万トンに達し、その後もほぼそのレベルを維持しています。いくつかの州では公式の州魚として指定され、年間約800万人がアメリカナマズ釣りを楽しんでいます。
日本のカツオの年間消費量が25万トン(WWF Japan)であることから、アメリカではアメリカナマズが釣りのターゲットや食材としても非常に親しまれていることがわかります。アメリカナマズは下処理に手間がかかりますが、天ぷらやフライには癖がなく、ふわりとした食感で上品な一品に仕上がります。また、ソテーや汁物にも合う魚なので、ぜひ一度お試しください。
また、アメリカナマズは胸鰭と背鰭に太く鋭いとげを持っています。針を外す時や絞める時、帰宅後の下処理の時など、誤って深く刺さってしまうと大けがになる恐れがあります。十分にご注意ください。
参考先1:環境省 日本の外来種対策 参考先2:WWFジャパン カツオという生物 参考先3:thefishsite (How to Farm Channel Catfishで検索) 参考先4:Mississippi State University (Production Process for Channel Catfishで検索)
アメリカナマズについて(以下、ブログより転記)
群馬漁協管内の利根川にて、アメリカナマズ等の特定外来生物が釣獲されてます。
釣れた場合、生きたままの移動は法律で禁止されていますので、ご自身で美味しくいただくか、群馬漁協に連絡して下さい。
※お魚に罪は無いのですが、在来種に影響があります。
釣り方は以下を参照下さい。
砂地や泥地の川底にてラバージグに豚さんレバーでネチネチ。ぶっ込み仕掛けで緩めな淵に投げて止めて置く。餌は豚さんや、鳥さんレバーや砂肝、魚肉等です。
※このお魚達は漁業権対象魚種ではありませんが、同様の仕掛けでニジマスやコイが釣れたりもするので遊漁証は必要です。
以下 群馬県HP 水試だより https://www.pref.gunma.jp/page/20880.htmlより抜粋
群馬漁協保有の写真
【水産行政から】
アメリカナマズの早期発見と被害対策に向けてチャネルキャットフィッシュ(別名:アメリカナマズ)は、食用を目的として1971年にアメリカから国内に移入され、一部が観賞用でも流通していました。本県では1983年に多々良沼における幼魚の採捕記録が最初です。
本種はその後、谷田川、渡良瀬遊水地、城沼、烏川、鏑川でも採捕記録があります。本種は「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」により、運搬、放流、飼育等が禁止されている「特定外来生物」に指定されています。
群馬漁協保有の写真
【基本情報】
- 分類:ナマズ目イクタルルス科
- 学名: Ictalurus punctatus
- 英名:Channel catfish
- 和名:チャネルキャットフィッシュ
- 別名:アメリカナマズ
- 原産地:北アメリカ
- 特徴:大型個体では体色が黒ずみ斑点も不明瞭になる。口ヒゲは4対8本、体長1メートル、体重10キログラムに及ぶ(在来ナマズの口ヒゲは幼魚で3対6本、成魚で2対4本)
群馬漁協保有の写真(Pixabayより)
【生態的特徴】
湖沼と河川の流れが緩やかで、水底が砂泥質の場所を好んで生息します。生存可能水温は1~35度(成長適水温28~30度)であり、食性は雑食性(動物プランクトン、エビ類、魚類、魚卵、死魚、ミミズ類、昆虫類)であり、体サイズに応じて捕食し易いものを利用します。
霞ヶ浦では3~4年(体長40センチメートル程度)で成熟し、5~7月(水温24度以上)、窪地や障害物の近くに産卵床を作り雄が卵を守ります。
有用水産生物の捕食、肉食性の在来魚(ナマズ、ギバチ、ウナギ等)との競合の他、鋭い棘による怪我、漁網や漁獲物の損傷など、深刻な被害を及ぼします。
【現状と課題】
本種は県東部から、現在では中部にも侵入しており、冷水域でも生息可能で、分布がさらに拡大することが危惧されています。現状では県内の生息情報等が十分でないことに加え、特に河川での生態はほとんど調査されておらず、駆除法も未だに確立していません。